創業70年、金属加工を手がける株式会社マルミ製作所では、取引先とのファイル授受に長年「パスワード付きZIP+パスワード別送(PPAP)」を使ってきました。しかし取引先である大手メーカーの脱PPAP方針を受け、2026年に運用を全面的に見直し。専用のファイル転送サービスへ移行した結果、情報漏えいリスクの低減と業務効率の両立を実現しました。担当された情報システム部の田中様にお話を伺いました。
同社では図面データや見積書など、機密性の高いファイルを日常的にメールでやり取りしていました。件数は1日あたり数十件にのぼり、その多くがPPAP方式でのやり取りだったといいます。
ファイルの暗号化やパスワードの管理は各担当者の判断に委ねられており、ルールが統一されていませんでした。「そもそもパスワードを同じ経路で送っていて、意味があるのか疑問でした」と田中様は振り返ります。
決定的だったのは、主要取引先からの通達でした。今後PPAP形式の添付ファイルは受信拒否する、という方針が示され、対応は待ったなしの状況に。
複数のサービスを比較検討した中で、最終的に決め手となったのは「現場の担当者でも迷わず使えること」でした。
専任のIT担当が少ない同社にとって、直感的に操作できる管理画面は必須条件でした。権限設定やダウンロード期限の指定が、マニュアルを見なくても行える点が高く評価されました。
ファイルごとに「送信者・受信者・ダウンロード日時」が自動で記録されるため、取引先からの問い合わせや社内監査にも即座に対応できるようになりました。
選定にあたっては、以下の観点を数値化して比較しました。導入後の「使われなさ」を避けるため、機能の多さよりも運用のしやすさを優先したといいます。
移行から3か月で、社内のファイル授受はほぼすべて新しいサービスに切り替わりました。
「相手が開けない」というトラブルが解消され、URL共有によってスムーズにファイルを渡せるようになりました。結果として、1件あたりのやり取りにかかる時間が体感で半分以下になったといいます。
属人的だった運用が全社共通のルールに統一され、新入社員でも初日から安全にファイルを共有できる体制が整いました。
「PPAPをやめることがゴールだと思っていましたが、実際には“取引先に負担をかけない受け取りやすさ”まで手に入りました。セキュリティと業務効率は両立できるんだと実感しています。」(情報システム部・田中様)
同社では今後、取引先とのファイル授受だけでなく、社内部門間のデータ共有にも活用範囲を広げる予定です。「まずは現状の棚卸しから始めることが、無理のない移行の第一歩でした」と田中様は締めくくりました。